どれくらいかかる? 人件費の「予測」と「設定」
どれくらいかかる? 人件費の「予測」と「設定」
会社を経営する上では人件費の管理も重要になります。
「人を雇わない」「給料を十分払わない」では事業は繁栄していきませんし、逆に人件費を使い過ぎても経営を苦しめることになります。
人件費にはどの程度の費用がかかるのか、また人件費はどの程度の水準で設定すべきかをご紹介していきます。
法定福利費の算出
人件費は、定めた給料分が確実に発生します。
月給25万円と提示し社員を雇うのであれば、月々25万円の負担は最低限必須です。
加えて考えたいのが「法定福利費」です。
社員を雇う場合、雇用保険料や社会保険料など会社側が一部を負担しなければならない法定福利費というものがあります。
法定福利費としては以下のものがあげられます。
・労災保険料
・雇用保険料
・健康保険料
・厚生年金保険料
・介護保険料 など
こういった法定福利費は、合計で月給の20%前後になってきます。
つまり月額25万円で社員を雇う場合、20%分の5万円が上乗せされた合計30万円を会社側が人件費として考えなくてはならない額となってきます。
その他の人件費
法定福利費以外にも人件費として考えなくてはならない費用があります。
まずは残業代です。
残業代も一定率は支払わなくてはならない義務が労働法の方で定められています。
正社員として雇う場合は、どうしても業務上残業は発生してくるかと思いますので、残業代分の出費も考えておく必要があります。
他にも、通勤費や住宅補助、退職金などを設定する場合は、その分の人件費を用意しなければなりません。
また人材教育にかかる費用(研修費など育成にかかる費用)も会社の将来を考えるのであれば必要経費となり、あわせて人件費として考えなくてはなりません。
人件費はどれくらいに設定すれば?
さて人件費をどれくらいに設定すればよいかですが、一つの目安として「売上高人件費比率」というものがあります。
売上高人件費比率は以下の計算式で算出できます。
売上高人件費比率(%)= 人件費÷売上高 × 100
売上高人件費比率は業種などにより異なってきますが、だいたい13%前後が全産業としての平均値となってきます。
人件費を削減し過ぎても社員のモチベーション低下となり悪影響を及ぼしますが、高く設定し過ぎても経営を圧迫する原因となります。
売上高など経営状況を見ながら無理のないように人件費を調整し、出来る限り平均値である13%は割り込まない程度に設定するのが良いでしょう。
人件費はこのように意外なほど出費がかさむもので、経営上決して軽視でない部分です。
経営状況に合わせて調整していく必要がありますが、余りに給料削減、人員削減をしてしまっても良い結果は生まれないでしょう。
いかにこの部分を上手く回せるかが事業を成功させるかの一つのポイントになってきます。